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マーケティングとは

「マーケティング」という言葉は、ビジネスの世界で頻繁に使われていますが、その言葉の意味は「市場調査のこと」、「宣伝すること」、「営業すること」など人によってさまざまです。
ここではマーケティングの原点に戻ってマーケティングの本質についてお話しします。
18世紀後半から19世紀にかけて「産業革命」が起こり、生産効率が上がることで20世紀に入り「大量生産」時代に入りました。
あらゆる商品で大量生産が行われ、大量の生産物が消費される社会が誕生します。
特に20世紀に入っての自動車産業の台頭に象徴されるアメリカでこの傾向が強くなり、経済の発展につながる一方、大量に生産された商品の需要を促進する必要が出てきました。
そのような状況で生まれたのが「マーケティング」という概念です。

現在のアメリカマーケティング協会(AMA)の前身である全米教師協会が1948年に出した世界で一番最初のマーケティングの定義を紹介しましょう。

Marketing is the performance of business activities that direct the flow of goods and services from producer to consumer or user.
マーケティングとは生産者から消費者あるいは利用者に、商品およびサービスの流れをつくる企業活動の実行である。

この内容は今の時代でも変わるものではありません。
「つくった商品を消費者に販売するための企業が行う活動、それがマーケティングなのです」と言っています。

次がアメリカマーケティング協会が2007年に出した最新の定義です。

Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動、一連の制度、過程である。

いかがでしょう、約60年まえに出された定義と基本的には変わっていないのですが「価値のある提供物を創造」という文言を使って社会の変化に合わせて「商品の製造」と「サービス業のサービス」をマーケティングに含めています。
マーケティングとはどういうものかという二つの定義ですが「つくったものを売る」から「価値のあるものをつくり、売る」という変化を感じませんか。

もうお気づきの方も多いと思いますが「マーケティングは商売の進め方」、どこの企業でもマーケティングは行っているのです。
業績が向上しないのはマーケティングを取り入れていないのではなく、社会の変化、今の時代に合わせたマーケティングを取り入れていないからに他なりません。

時代に合った食品マーケティング

では時代に合った食品マーケティングとはどのようなものでしょうか。
それは「売るためのマーケティング」ではなく「買ってもらうためのマーケティング」です。
「売る」と「買ってもらう」は実際には同じではないかと思われる方も多いと思いますが、企業あるいは経営者、社員の意識の問題です。
「どうやって売るか」という「売る仕組み」を考える場合、自社商品をどこの流通に重点的に扱ってもらうか、営業のノルマをどのように設定するか、広告費はどのくらいかけるか、価格はいくらにしたら競争力があるのかなど企業の視点からの発想になります。
「どうしたら買ってもらえるか」という「買ってもらうための仕組み」を考える場合、この商品はどんな人が買ってくれるのか、もっと魅力のある商品にするにはどうするか、商品の魅力をどのようにお客様に伝えたらいいか、リピーターになってもらうためには何をしたらいいかなどお客様視点からの発想になります。
モノ不足のつくれば売れる時代はたくさん製造する施策を講じます。
しかしつくっただけでは売れませんのでお客様が手にしやすいように流通に仕入れてもらうための営業施策を講じます。
その結果企業がより多くの利益を得るようになりますが、これもマーケティングです。
しかしモノ余りの今の時代それが通用しにくくなっています。
消費者が商品、サービスを選択してはじめて商品が売れる、つまり消費者にとって魅力のある商品でないと買ってもらえない時代になっています。
今の時代は「お客様視点」でのマーケティングが必要になってきています。
お客様の視点でマーケティングを考えるそれが一番大切な、今の時代に合ったマーケティングです。

経営学の創始者として知られるピーター・ドラッガーが「マーケティングの理想は販売を不要にすることである」と言っています。
お客様に「買ってください」とお願いしなくても、お客様から自然に買いたくなる状態をつくることが今の時代の「マーケティング」の在り方です。

つまりマーケティングとは

「企業が業績、収益を上げるために、消費者に対して行う諸施策、諸活動の集合」
「消費者に対して行う諸施策、諸活動の集合」の集合ですから、リストラや管理費の削減などで利益を出そうという行為はマーケティングには含まれません。
購入者、消費者に対して働きかけ、売上げを向上させ、利益を増加させることがマーケティングです。
そして今の時代、必要な働きかけとは「お客様にとって価値ある商品を開発し、お客様が続けて買ってもらえるようにすること」です。


一、お客様にとって魅力ある商品を開発するための情報収集
一、自社の技術、工夫、アイデア、強味を生かした新製品開発を含めた新製品・新商品開発
一、その商品の存在をお客様に伝え知ってもらうための宣伝、ホームページによる情報発信
一、お客様がその商品を手にしやすい売り場をつくるための店舗開拓、ネットショップ活用
一、より買ってもらえるようにするための販売促進活動
一、続けて買ってもらうようにする顧客化

これらの施策、活動を行なうことの集合が今の時代のマーケティングです。
繰り返しになりますが、自社の商品を売る仕組みをつくることでは無く、お客様が欲しいと思う仕組みをつくることが大切です。
もちろん、企業それぞれの事情、状況で上記の施策、活動間の強弱はあるはずです。
お客様が欲しいと思う仕組みをつくるためにマーケティングの各部分の優先順位を考えてみてはいかがでしょう。

成果の出るマーケティングに取り組むために

「マーケティング」と聞いて人それぞれに定義している点が見られます。
「さあ、マーケティングに力を入れて行こう」とトップが社員を鼓舞しても「マーケティング」のとらえ方が社員ごとに違っていてはやることがバラバラになり、成果が出るマーケティングは期待できません。
それを防ぐためには社内での「マーケティング」の定義をはっきりさせることです。
自社なりの定義で構いません。
そして企業それぞれの事情、状況で上記の施策、活動間の強弱はあるはずですのでマーケティングの上記の各プロセスの中で自社がすぐ取込べきこと、出来ること、出来ないことを明確にして優先順位をつけ戦略、施策を考え実行してみてはいかがでしょう。

食品マーケティング

マーケティングが解説された書籍、セミナーがたくさんあります。
そしてその多くが業界を超えた最大公約数的な理論の解説になっています。

例えばパソコン業界と食品業界でマーケティングは同じでしょうか?
大手食品メーカーと中小食品メーカーとマーケティングは同じでしょうか?
共通するところはありますから、参考にはなるとは思いますが実際に自分の会社で取り入れようと思っても現実的には難しいものです。
本を読んで、セミナーを聞いて「ああなるほど、うちでもやってみよう」と夢が膨らみ、会社の机に座って「何をどうしたらいいのかわからない」と言う経験を持たれた方は多いと思います。

成果の上がるマーケティングを行っていくには、食品という商品が持つ特性、消費者の食品に対する心理に合わせた、そして企業規模に合わせたマーケティングを自分の頭で考えて実行していかなくてなりません。

食品という商品が持つ特性、消費者の食品に対する心理などを別ページで紹介していますのでご参考になさってください。
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