新製品・新商品開発で「おいしそう」をつくる
新製品・新商品開発とは「顧客に買ってもらえる商品をつくること」。
そのためには何をしたらいいのでしょう。
健康食品などの一部の商品を除いて食品における基本的価値は「おいしさ」です。
しかし、現在の日本において、おいしい商品は市場に溢れかえっています。
「おいしい」だけでは新商品は買ってもらえません。
消費者が「おいしそう」と思い、心を動かされ、手にする商品でなくてはなりません。
消費者は意識的、無意識であれ「違い」を根拠に商品を選んでいるのですが、その違いが判らなければ選択に迷い、これまでの商品を飲み、食べ続けることになり、その結果、新商品はヒット商品にはなりません。
食品の「おいしさ」は電気信号として脳に伝わり、脳に蓄積されたそれまでの味覚経験などの情報を参照して「おいしい、まずい」の判定をするという主観的なものです。
「おいしそう」と思ってもらえる情報を事前に提供し脳に蓄積してもらうことで「おいしさ」は向上します。
「この商品はこんないい商品でこの商品を買えばこんないい気分、おいしさが楽しめますよ」という価値のある情報を提供ことが必要になります。
出来上がった新商品を前に「何を伝えたらいいか」と考えることはキャッチコピーや広告の検討時によく行われることですがそれだけでは十分ではありません。
新製品開発段階(ものづくり)で新しい原材料、加工方法など消費者が価値があると認識している要素を新たに取り込みそれを情報として発信します。
このような機能的価値の他に「おいしそう」につながる情緒的価値として、老舗、期間限定、カテゴリーのトップブランド、パッケージデザイン、ネーミング等々多くの情報があります。
売れている商品には「私を買うと何かいいことがありますよ」というアピールがあります。
これまで多くの新製品・新商品開発に携わってきましたが、これがあるかなないかで大小はありますがヒットする確率は大きく変わります。
中にはどう考えてもアピールのしようがない場合があることもありますが。
「おいしそう」を見つけること、つくることは食品の新製品・新商品開発ではとても大切なことです。