食品マーケティング&食品商品開発
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小川マーケティング事務所

食品マーケティングのヒント???


ペプシコーラの名指しの比較広告


2014年3月1日の朝刊の見開き広告で「ペプシNEXT ZERO」の比較広告を見て「ここまでやっていいのか」とびっくりしました。
オリンピックの日本招致決定のシーンを模したテレビ広告も盛んに放映され話題になっていることをご承知の方も多かったのではないでしょうか。

大手メーカーであるサントリー社のやることですからきちんと法的な問題はクリアした上での対応とは思いますが、このように競合商品を名指しで比較する手法は日本の大手メーカーほとんどありませんでした。
1997年に、ペプシコ社の日本に於ける事業がサントリー社に譲渡される以前は米国のペプシコ本社主導で同じような比較広告が行われていますが、それすら紆余曲折があって対象商品は「その他のコーラ」、コカコーラの画像にはモザイクをいれたものでした。

1987年から公表されている「比較広告に関するガイドライン」で、以下の三つを満たせば比較広告は違法にならないという方針が出ています。
(1)比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
(3)比較の方法が公正であること

「おいしさ」というのは非常に主観的なものです。
果たして(1)の「主張する内容が客観的に実証されている」要件を満たしているのでしょうか。
実際に3/1の広告の一部に「この勝利は偶然なのか。必然なのか。」というコピーが入っています。
私が今回の広告に違和感を持った理由はこの点です。
コカコーラ社がこの広告に対抗して、ブランド名を隠さないで味覚テストを行い「おいしさで、コカコーラZEROが勝利しました」とやったら(可能性は高いでしょう)「客観的に実証されていないので違法」となるのでしょうか。

私は常々「おいしさとは味覚+情報」だと思っています。