食品の基本的価値をつくるのは新製品開発

日本においては「新製品開発」と「新商品開発」の二つの言葉が混在しています。
食品においては「新商品開発」を使うことが多いようです。

この二つの言葉の違いは「製品」と「商品」ですが、「製品」と「商品」の意味の違いはご存知ですか?
「製品」とは文字通り製造されたもの、「商品」とは製品を商いに適した状態になったものです。
英語では「製品」も「商品」も「Product」で表していますが、日本語の「製品」と「商品」の区別は「新製品・新商品開発プロセス」を考える上でとても都合がいいのです。

食品は原材料、加工法で基本的な属性が出来上がりますが、この段階が「製品」の完成になります。
しかし製品のままではそれがどのようなものか消費者には伝わりませんので、おいしいそう、体に良さそうなど、より魅力的なものにするためにブランド名を付け、パッケージに入れ、キャッチコピーを付けたりして売れるようになった「商品」にします。

レストランのシェフの新メニュー開発を例にして、もう少し具体的に説明します。

一、素材を選ぶ(原材料)
一、素材を生かした調理方法を工夫する(加工方法・特徴のある味わい)
この新らしい料理を開発するプロセスで料理の基本的な価値が生み出されます。

他のスタッフの賄いとするのであればフライパンなどに入れたまま「勝手に自分たちでよそって食べなさい」で済みますが、お客様に提供する、商売にしようとなるとそういうわけにはいきません。

お客様に料理をさらに魅力的なものと思ってもらうため、喜んでもらうため、そしてお金をいただくために
一、この料理を引き立てるためのお皿を選ぶ(パッケージ)
一、料理に名前をつける(ネーミング)
一、メニューへの説明分を考える(キャッチコピー)
この魅力を高めるプロセスを経ることで、料理はお客様に注文してもらえるようになります。

食品業界において前段の料理の開発プロセスが「新製品開発」、後段の魅力を高めるプロセスが「商品化(=商品開発)」、その二つのプロセスを経て「新製品・新商品開発」の完成になるのです。

上の事例では最初から最後まで一人で行っているシェフの頭には新しい料理のコンセプトがあるために一人ですべてを対応し、ぶれることがないのでコンセプトの明文化も必要ありません。
多くの食品メーカーでは、新製品開発と商品化(主にマーケティング部が多いのでしょうか)は部門に分かれていますので商品コンセプトの創造が欠かせないことは言うまでもありません。

食品メーカーでは「新商品開発)」と一括りにしていることが多いようですが、
「新商品開発」は「新製品開発」と「商品化(=商品開発)」のプロセスで成り立っている。
このことに気付くか否かで新製品・新商品開発のプロセスの効率が大きく向上します。

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