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キリンラガー桜缶

kirin_lager昨日の夕食のテーブルに「キリンラガー桜缶」が乗っていました。 アサヒビールに籍を置いたことがある私ですが、ビール好きの女房がスーパードライよりラガーの方が好きだと言うので我が家の定番ビールは「キリンのラガー」です。

アサヒビールの皆さん、ごめんなさい、「おいしさ」って主観的なものですのでお許しください。

ネットスーパーで「キリンラガー」を注文したらたまたま桜缶が届いたというだけで、桜缶を選んで買ったわけではないようです。 缶を開けながら「これってどういう意味があるんだろう。中身は同じなんだから他の銘柄を飲んでいる人は買わないだろうし、味が違うなら飲んでみようと思うけど」とつぶやくと「これは季節限定なのよ」と答えた女房の横で娘が「お花見の時にコンビニでビールを買うことになったらこれを買うな」と話に入ってきました。 そうそう、ちなみにアルコールに極めて弱い娘は「これが一番おいしい」と言って「アサヒのダブルセロ」を飲んでいます。

娘の話を聞いて「そうか」と我に返りました。 「モノ」の提案ではなく「コト」の提案商品だとあらためて教えてもらったのです。 食事中であることとあまり深く考えていない会話だったことを差し引いてもマーケッターとして不覚でした。 食事が終わってサイトで調べたところ、キリンビールのニュースリリースには下記のように書かれていました。

広告では、菅原文太さん、江口洋介さんに登場いただき、お花見のシーンで仲間と一緒に「キリンラガービール」を楽しむ新テレビCMを放映します。(中略)今回、味覚特長である“のどにグッとくる刺激感”“コク・飲みごたえのある味わい”はそのままに、お花見を楽しむ桜のデザインという新たな価値を提案することで、春のうれしい乾杯シーンを盛り上げます。

「おいしさ」を楽しんでもらう「モノ」としての桜缶ではなく、桜缶はそれを飲むことで「楽しみ」という「コト」を提供する商品だったのですね。 ちなみにアサヒビールも「スーパードライ」をはじめとしたいくつかのブランドで発売中あるいは近日発売予定だそうですが、 商品コンセプトは全く同じです。

ヤマサ醤油「鮮度の一滴」

mark お使いの方も多いと思いますが、昨年の日経トレンディのヒット商品番付で16位に入ったヤマサ醤油の「鮮度の一滴」。

ヤマサ醤油にいる私の友人が開発した商品で、鮮度を長持ちできる特殊構造の容器を採用した醤油で中身はこれまでの醤油と何ら変わりはありません。 ガラス瓶やペットボトルに入った醤油は一度開栓すると酸化して鮮度が落ちてしまうので「いつまでもおいしい醤油を楽しんで欲しい」という目的で開発された新商品。

新製品・新商品開発としては二つの点でとても参考になります。 一つ目は中身はそのまま、容器を変えることでヒット商品にした点。 二つ目は自社商品を否定して顧客への提供価値を高め、新しい消費者ニーズをつくった点。 普通は「これまでの醤油をどう説明するんだ」「これまでの醤油とカニバリするだけ」と言う意見、理屈が社内で出て発売は難しいものですが、ヤマサ醤油はそれをやりました。

二点目はなかなか出来ることではありません。 ちょっとひねくれて考えると、トップメーカーではなかったからかもしれないのですが。

友人に聞いてみたところやはり社内を通すのが一番苦労したと言ってたが、最終的に「GO」の決裁が出てヒット商品に。

こういう会社は伸びる会社です。